「年金かけはし」のデメリットと注意点:明治安田生命の個人年金保険を選ぶ際のポイント
明治安田生命「年金かけはし」についてポイント




明治安田生命「年金かけはし」を検討する際のポイント
明治安田生命の「年金かけはし」は、個人年金保険の一つとして、老後の資金を手堅く貯めるための選択肢として考えられます。しかし、選ぶ際にはいくつかの注意点があります。ここでは、そのポイントについて詳しく解説します。
利率の低さに注意
「年金かけはし」の最大のデメリットは、利率が高くないことです。例えば、30歳の男性が65歳まで保険料を払い込み、10年確定年金を受け取る契約をした場合、支払った保険料総額に対するリターンは105.2%程度です。年利換算で0.3%程度にしかなりません。
この利率は、他の投資手段と比較すると低いです。例えば、確定拠出型年金(iDeco)で人気のある「eMaxis Slim全世界株式(オルカン)」は、過去30年の平均年利が7.3%(2023年10月時点)です。もちろん、これまでの実績が将来も続く保証はありませんが、リターンの差は大きいです。
インフレリスクを考慮
固定利率の保険商品はインフレに弱いという特性があります。2023年11月の消費者物価指数が2.9%であることを考えると、年利0.3%の「年金かけはし」は実質的にマイナスのリターンとなる可能性があります。インフレが続くと、受け取れる年金額が公的年金の補填に足りないことも考えられます。
個人年金保険料控除のメリット
「年金かけはし」は個人年金保険料控除を利用できる点がメリットです。会社員なら年末調整で、自営業者なら確定申告で、支払った保険料を所得控除に使えます。年間80,000円までの保険料が控除対象となり、所得税や住民税の還付を受けることができます。
この控除を最大限に活用することで、実質的な保険料負担を軽減することが可能です。ただし、確定拠出型年金(iDeco)も拠出金が所得控除されるため、個人年金保険の優位性は相対的に低くなります。
据置期間の設定が可能
「年金かけはし」は据置期間を設定することができ、これによりリターンをわずかに上げることが可能です。据置期間中は保険料の支払いがないため、個人年金保険料控除を受けることはできませんが、リターンの向上を期待できます。
他社の個人年金保険では据置期間を設定できない場合もあるため、選択肢が広がる点はメリットと言えるでしょう。
受け取れる年金額の確定
「年金かけはし」は契約時に受け取れる年金額が確定するため、経済状況に左右されることがありません。市場の変動に影響されず、安定した老後資金を確保したい方には適しています。
ただし、元本保証のない確定拠出型年金(iDeco)と比較すると、リターンは低くなる可能性があります。市場の暴落時にも資産運用を継続するメンタルが必要なiDecoに対し、「年金かけはし」は安定性を重視する方に向いています。
まとめ
明治安田生命の「年金かけはし」は、手堅く老後の資金を貯めたい方にとっては有力な選択肢です。しかし、利率の低さやインフレリスクを考慮する必要があります。特に、まだ老後まで時間がある若い世代には、確定拠出型年金(iDeco)などの他の投資手段も検討する価値があります。
最終的な選択は、個々のリスク許容度や資産運用の目的に応じて行うことが重要です。保険商品を選ぶ際には、専門家の意見を参考にしながら、自分に最適なプランを見つけることをお勧めします。