プライムステージ 朝日生命 評判の節税効果にデメリットはないのか?
朝日生命のプライムステージは
保険種類別には介護保障保険になります。
個人向けでなく法人向けの商品です。
参考までに法人契約と言うのは
下記のような契約形態のことを言います。
契約者=法人(会社)
被保険者=社長・役員・社員
受取人=法人(会社)
介護保障とは「要介護状態」となり
経営に携われなくなった場合に
備える保障です。
プライムステージは
公的介護保険制度の3以上の認定で
介護一時金を払います。
経営者が、
要介護状態で経営に携われなくなった場合、
企業には様々なリスクが発生します。
退職金の原資、
運転資金の確保、
事業継承の心配etc、
無事!?介護状態にならなかった。
そのときは勇退を迎えるとして
解約金返戻金(保険を解約したとき戻るお金)
を役員退職金の財源、事業継承の資金等に
活用することが出来ます。
保障はそのままにして資金を調達できる
「契約者貸付制度」も利用できます。
ですから、
緊急の資金ニーズにも応えられます。
プライムステージの保障内容と
企業経営にどう役立てれば良いか?
詳しくみていくことにしましょう。
「プライムステージ」朝日生命の評判・1 死亡保障がない!?受給要件も厳しめ…
この保険は、公的介護保険における
要介護3以上と認定された場合、
まとまった一時金を受け取ることができます。
高額の介護保障で経営者の休業リスクに
備えることが出来ます。
但し、
この支給要件の要介護3以上というのは、
受給条件としては厳しい部類に入ります。
また、この保険は、
「亡くなっていくら」の機能はほとんどない。
そういっても過言ではありません。
被保険者(経営者)が、
介護一時金を受け取る前に死亡した場合、
死亡保険金は支払われます。
けれども、これは、
保険金の支払いに備えて保険料の一部から
積み立てられる責任準備金相当額。
責任準備金ってなんのこっちゃ!?
そんな話になってしまうと思います。
なので、ここでは、ほとんどのケースで
払った保険料を下回る保険金になる。
そうお答えしておきます。
ですから、
経営者の死亡保障を必要とする場合、
別の法人保険の加入が必要です。
この保険(仕組み)の特徴として、
法人保険契約における支払保険料が
全額損金扱いになります。
つまり、
法人税の節税効果が高くなります。
(正確に言うと税の先送りなのですが…)
契約の一例をあげておきます。
契約者:法人 被保険者:経営者(50歳)
保険金受取金:法人
介護一時金額:3億円
保険期間(払込期間):85歳満了
年払保険料:3347700円
「プライムステージ」朝日生命 評判・2
法人(会社)で契約するメリット
プライムステージのメリットをあげておきます。
下記の4点です。
・要介護時に一時金が受け取れる
・保険料が全額損金算入できる
・カケステでなく貯蓄性がある
・赤字年度に解約すると黒字計上できる
詳しくみていくことにしましょう。
プライムステージに限りませんが
介護保障定期保険は死亡保障のみでなく
所定の介護状態で一時金が受け取れます。
言うまでもなく、
保障範囲が通常の保険と比べると広いです。
ですが、若い年齢で加入すると「要介護3」
に該当するリスクはかなり低いと言えます。
現実問題0%に限りなく近いです。
実際に、この「プライムステージ」。
介護保障を目的として
加入するケースはほとんどありません。
保険料全額が損金に算入される。
そして、いわゆるカケステでなく、
解約金返戻金がある程度積みあがっている。
全額損金算入にもかかわらず
ある程度貯蓄性のある保険。
これが最大の特徴です。
実質返戻率が100%を超えるケースも。
※この実質返戻率については
機会をあらためて詳しく説明します。
その結果、利益が繰り延べできる。
これを目的に採用している企業が大半です。
昨今の厳しい経営環境下、
会社の利益を出すために経営陣は
日々血のにじむような思いをしています。
けれども、
この利益の半分は税金と言うカタチで
国に納めなければなりません。
利益の先送りが出来るのであれば
納める税金を会社に残しながら
こんなことが可能になります。
赤字の年度に解約して黒字計上・運転資金に。
何年後かの設備投資資金を節税分で準備。
勇退時の退職金・事業承継資金に。
会社にとって悪い話ではない。
そう思う経営者様は少なくないでしょう。
「プライムステージ」朝日生命 評判・3
法人(会社)で契約するデメリット
では、利益の出ている会社にとって
プライムステージ加入の
デメリットはないのでしょうか?
結論から…
当然あります。
デメリットは下記の3点です。
・保険料が資金繰りを圧迫する可能性がある
・貯蓄性はあっても解約返戻率は高くない
・解約返戻金は益金に算入される
これも詳しくみてみましょう。
保障の範囲も広く解約金も
ある程度積み立てられる保険です。
保険金額の割に保険料は高額です。
そのために、
適切な保険料を設定しないと
資金繰りがキツクなるおそれがあります。
中小零細企業の場合、
利益は出ていても資金繰りは厳しい。
このようなケースが
多いのではないでしょうか?
ここらへんを理解して提案できる
保険マンは意外と少ないものです。
赤字年度にはキャッシュフローは減る、
利益の繰り延べはできない、
経常利益も出ない=金融機関の信用も落とす。
こんなことにもなりかねません。
それと、貯蓄性があるとお伝えしましたが
生命保険ですから貯金とは性格が違います。
20代の被保険者でも
実質の解約返戻率はピークでも80%台。
50代となると60%台です。
仮に1000万円払い込んだとして
キャッシュで1000万円が
戻ってくるわけではありません。
上記の例ですと1000万円支払って
戻る金額は800万円・600万円です。
税効果を含めた実質返戻率が
100%を超えるようなタイミングで
解約をしたとしましょう。
解約返戻金が損金にできるようなタイミングであれば良いのですが
そうでなければ一気に益金参入です。
解約返戻金にそのまま法人税がかかるだけ。
税効果を加味しても
支払った保険料が目減りして戻ってきた…
そんな無意味な投資になりかねません。
加入の数年後、赤字の年度があった。
このとき解約して黒字計上できた。
これは結果論と言えば結果論。
このように加入の仕方を間違えると
支払った保険料は目減りする、
さらにそこに税金はかかる、、、
現金・預金で積んでおいた方がよかった。
私の知る範囲でも、そんな事業所さんが、
少なからず見受けられます。
「プライムステージ」朝日生命 評判・4
この保険はどんな会社に向いているか?
では、
プライムステージはどのような会社が
検討・加入すべき保険なのでしょう?
大前提として利益が出ている会社。
それも、一定期間、利益は出続ける。
ある程度その見通しの立つ会社。
かつ、資金繰りに問題のない会社。
さらに、理想を言えば、
自己資本比率の高い会社。
保険料の支払によって赤字になるようでは
利益の繰り延べをする意味がありません。
ほとんどの年度で
年間保険料以上の経常利益が
出せているのか?出していけるのか?
そうでなければ、
大切な会社の資産を減らす可能性がある。
そう言わざるを得ません。
もうひとつが
解約のタイミングと
解約返戻金の使い道です。
税効果を加味した実質返戻率が
100%を超えるタイミングで解約し、
解約返戻金と同程度の金額を損金として
計上できるような使い道を事業戦略として
計画しておくことです。
使い道としては、
設備投資、退職金が一般的です。
そして、加入するとしたら、
なるべく若い経営者・役員を
被保険者にして下さい。
法人税繰り延べ目的で保険を考える場合、
必ずしも、
代表を被保険者にする必要はありません。
経営者自身の退職金の準備が目的であっても、
その経営者自身を被保険者にする
必要もルールもありません。
実質返戻率は年齢が若いと圧倒的に有利です。
なるべく若い役員を被保険者として加入。
ピーク時に解約して社長の退職金etc.
に充てるというのが合理的な利用方法です。
お伝えしてきたように、
プライムステージだけではありませんが、
「保険で節税」は
どの会社にも有効ではありません。
保険商品としての優劣よりも
自社のニーズや経営状態、事業計画等。
会社の戦略と現状に適したものかどうかを
見極めたうえでの採用・加入が重要です。
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