告知義務違反に時効はある!? 保険契約を軽く考えてはいませんか?
あなたは「告知書」ってご存知ですか?
保険に入りたいと思ったとき、
申込書とともに健康に関する
告知書を書いて提出します。
この告知書には、最近の健康状態、
過去の病歴などを書く欄があります。
これらは、
保険会社が契約の申込みを承諾するか否か?
判断をする重要事項になっています。
きちんとありのままを
告知しなければならないという義務。
それを「告知義務」と呼んでいます。
保険契約というのは、
申し込んだからといって100%
契約が成立するものではありません。
条件がつけられたり、
断られたりすることがあります。
ここで問題になるのが、
・明らかにわざと重要な事項を告知しない。
・うっかり事実と異なる告知をしてしまった。
これを「告知義務違反」といいます。
告知義務違反をしてしまうと
その後契約はどうなるのか?
今日はそのことを
お伝えしておきたいと思います。
告知義務違反に時効はあるのか 1
告知義務違反が判明すると…
告知義務違反が判明すると
あなたの契約はどうなるのでしょうか?
保険会社は
保険契約を解除することができます。
入院したり手術したり、
亡くなってしまったり、、、
このような後でも
保険会社側から一方的に
契約を解除することができます。
つまり、
カンタンに言うと
保険金等が支払われないということです。
また、
保険契約時に受け取る
「保険契約約款」によると
すでに、
保険金等を受け取っていた場合も
保険金を返還する義務もある。
そのように明記されています。
契約者から見ると
「なんとも横柄、あまりに理不尽!」
そう感じるかもしれませんね。
そのため、
保険会社が契約解除できるのは
契約から2年という時効が設けられています。
告知義務違反に時効はあるのか 2
では2年を経過すれば支払われるのか…
告知義務違反をして保険に加入。
2年間経過すれば時効になり、
その後発覚しても給付金等は支払われる。
こんな話を耳にすることがありますが、
これは誤りです。
契約してから2年経過すると
保険会社から一方的な契約の解除が
できなくはなります。
ですが、
契約がなくならない=給付金等が支払われる
ではありません。
例えばですが、
契約するとき発ガンしていたとします。
その事実を告げず契約を交わした。
2年間、入院・手術等がなかった。
もしくはあったけれども
給付金等の請求はしなかった。
2年が経過しそこからは
ガンでの入院・手術・死亡等の保険金が
支払われるかと言えば支払われません。
保険会社は、保険契約締結時に
発症していた疾患等に関しては期間に関係なく
保険金を支払う義務はないということです。
但し、
重大な悪意がない、妥当性があるなど
可能な範囲で支払うことを基準としています。
ですから、
告知書には正直にありのままを
記入して下さい。
「もしも?」「万が一」の場合
必ず使えなければ保険ではありませんから。
せっかく払う保険料を無為にしたら
いたたまれませんものね。
告知義務違反に時効はあるのか 3
バレてしまうものなのなのだろうか?
告知義務違反、病歴等の告知をしなかった、
給付金等を請求するとき
保険会社は過去に遡り調査をするのか?
傷病歴のある方から良く受ける質問です。
契約者が給付金等を請求するとき
その原因が保険加入以前と疑われる場合、
加入後早期の請求などの場合、
保険会社は
調査会社に依頼をして調査を行います。
これは
「保険会社の利益を守る」というより
契約者の不公平・不平等をなくすためです。
保険金や給付金は契約者全体から
お預かりしたお金の中から
支払われるわけです。
不正受給等の不公平があってはいけません。
調査は入院先や死亡原因、健康診断結果、
健康保険支払状況を調べます。
概ねほぼ10年まで遡れることになります。
最近は、
明らかな告知義務違反とかでないと
調査はされないようです。
商品がリスクヘッジされてきているのと
調査にも多額の費用が発生するからです。
ですから、
確実に証拠が掴めそうなモノ、
疑われるようなモノ、
このような案件にしか
調査をしない傾向があるようです。
なのですが、
疑われたらかなり徹底的に調べます。
とくに精神科系とガンは調べますかね。
私も現場にいたときは何度が経験をしました。
契約者様もかなり嫌な思いを
することがほとんどでした。
この調査をする人達は、
契約解除になる告知義務違反を探し出したら
報償金がでるくらいです。
やっきになって調べます。
検察官のような陰険な質問や対応を
されることがほとんどです。
ただ、
正直に告知しておけば問題はありません。
必要以上に心配しないで下さいね。
告知義務違反に時効はあるのか 4
保険会社は意図的に保険金を払わない!?
10年近く前になるでしょうか?
保険金の不払いがとりただされました。
保険会社は
意図的に保険金を支払わないのではないか?
そんな風評が流れた時期もありました。
保険金の不払いは
告知義務違反をして保険に加入。
(本来は保険には入れない人)
その方たちが
亡くなったり、入院・手術をしたりで
保険金・給付金を請求。
調査の結果、
重大な告知義務違反が判明。
保険金を支払うことができない。
これが真相です。
(事務のミス等も多数ありますが)
保険会社が作為的に保険金を
支払わなかったわけではありません。
むしろ、告知義務違反が判明しても
「うっかり忘れていて」程度のものは
寛大にみたりもします。
また、
告知義務違反で契約が解除された場合、
約款では払った保険料は返還しない。
このように記載はされているのですが
「見舞金」等の名目で払った保険料相当額が
返還されるのが一般的です。
告知義務違反があっても、
告知義務違反の事項と請求対象との
因果関係がなければ支払われます。
保険会社は意図的に
保険金を支払わないわけではありません。
但し、
ルール違反の契約に対して支払えません。
このように受け止めていただくと
わかりやすいのではないかと思います。
ですから、
告知義務違反はしてはいけないし、
保険を募集する人も
告知義務違反を勧めるような言動は
絶対にしてはいけません。
長い間、保険料を払ってもらってきて
いざ使おうと思ったら保険金が降りない。
これではお客様に申し訳が立ちません。
保険会社も
最初から保険金目当てで加入されたら
経営が立ち行かなくなります。
さらに、
保険の募集人がそのような行為をしたら
懲戒免職処分になりかねないです。
保険業は金融業です。
人様の財産をお預かりする仕事です。
重く考えていかねばならない仕事です。
お客様側も契約を扱う側も
告知を軽く考えてはいけません。